坂井田夕起子の仕事部屋

仕事状況を報告するブログです。

岸和田市仏教会で講演させていただきました。

 今月8日、岸和田市仏教会さんにお声をかけていただき、玄奘三蔵の遺骨がなぜ岸和田にやってきたのかについて、お話させていただきました。

 岸和田といえば、元岸和田藩士の父を持つ、戦中の文相岡部長景の出身地。コロナ前にも岸和田市立図書館さんにお招きいただき、お話させていただきました。そのときには、岸和田ケーブルテレビの撮影が入っていたので、一度ならず、何回か再放送が岸和田で流れているそうです(まぢか……)

 講演させていただくだけでも楽しいのに、懇親会では地元の人や関係者ならではの貴重なお話をきかせていただいて、楽しかったです。

 『誰も知らない『西遊記』出版から10年。その後、新しい事実とか資料も見つかったことだし、増補改訂版をできれば文庫とか新書の形でだしたいぞ!

 

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岐阜県日中友好協会でお話させていただきました。

 今年は中国との国交正常化50周年ということで、各地&オンラインでいろんな催しが開催されていますが、なんと岐阜県日中友好協会からお招きいただきました。

 第二次世界大戦後、日本と中国は長い間国交がなかったのですが、代わりに「民間」交流が積極的に行われていました。それは、同時に日中戦争の後始末でもあったわけで、私が論文を書いている中国人強制連行犠牲者の遺骨送還運動もその1つです。

 この運動は、戦後日本で全国的に行われましたが、政治運動には表の顔と裏の顔があるわけで、単純な「美談」ではありませんでした。私は日中友好協会について、あまりいいことを書いていないのに、それでも私の論文を読んでご招待いただけた事実に、率直に驚きましたし、時代が変わっているんだなあと実感しました。

 今回は詳しいお話をさせていただく機会はなかったのですが、さわりだけでもお話させていただけてよかったし、研究資料として残りにくい地方の運動の状況を知ることができて、とても勉強になりました。

 当日は岐阜県内だけでなく、名古屋周辺からも多くの方や研究者の方もいらしていたので、ご挨拶できたのもよかったです。

 

 

コラム:花岡町と鉱山と「花岡事件」をめぐる人々

 

 ちょうど2年ほど前にお話をいただいた原稿が活字になりました。編集会議では、初めて東京の岩波書店に入ったので、ものすごくドキドキしたのを覚えています。

 ご一緒させていただいたのは、社会学者の先生たちがメインで、そういう意味でも貴重な経験でした。

 

 「花岡事件」といえば、中国から強制連行されてきた人たちが、日本で酷使されたため、蜂起して鎮圧されたことで有名です。ところが、この事件について、そもそも花岡の鉱山がどんなところか、地元の人たちがどんなきっかけで、犠牲者の慰霊活動を始めたのか、書いている研究はありません。

 コラムは短いですが、そういう部分にも言及できたのがよかったですし、字数制限で大きく削ってしまった部分は、いずれどこかで書きたいです。

 

www.iwanami.co.jp

北京大学主催の国際シンポジウムで報告しました。

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中国でのオンラインシンポジウムなので、てっきりテンセントミーティングかと思いましたが、ZOOMを使って驚きました。最高で270人以上が入り乱れて、チャット欄でも意見交換したり、メール交換したり。失敗も多々ありましたが、楽しかったですし、なによりいい経験になりました。

この報告論文は、日本の学会にも投稿する予定です。

 

論文「近代日本仏教と中国人僧侶―太虚の弟子大醒を中心に」

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秋に東洋大学のシンポジウムで報告させていただいた論文を、『東アジア仏教学術論集』第10号に掲載していただきました。

内容としては、『近代仏教』第26号掲載の論文をベースに、台湾で見つけた太虚の『東瀛采真録』についての説明部分を中心に加筆修正してバージョンアップしたものです。これで、今年度最後の研究成果になるでしょうか?

 

原稿提出済みのコラムその他は、来年度に書籍になる予定です。